2024/02/14
相続が発生し、親が住んでいた実家を相続。しかし自分には既に持家があるような場合、「実家を大事にしたい気持ちはあるけど、空き家のまま放置することは出来ない。誰か借りてくれる方がいれば貸家として貸すこともと考えるが、貸家とするには修繕費も大分掛かりそう。そもそも、築40年以上のこの家に貸家の需要はあるのか?やはり、売却して有効に使ってもらうのが一番良いのではないか?」と考えるのが一般的だと思います。
実際そのように思って、弊社に相談に見えたお客様の例から、相続不動産を売却する際のチェックポイントについて考えていきたいと思います。
早く済ませたい、面倒なことは避けたいという思いから不動産の買取を選択していませんか?
買取のメリットとして、①すぐに現金化できる。②内覧が不要。③仲介手数料がかからない。④査定価格がそのまま買取価格になる。⑤瑕疵担保責任が免責となることが挙げられます。
①確かにすぐに現金化できますが、その分価格が安く(相場価格の6~7割程度)なってしまいます。
②仲介の際の内覧の案内は、媒介業者が行いますので売主に面倒は一切ありません。
③仲介手数料を支払うことはないですが、仲介手数料(売値の3%+6万円)以上の業者利益(凡そ2倍以上)を確保されているかもしれません。
④買取としての査定価格は、相場よりかなり安いです。
⑤瑕疵担保責任は、仲介の場合でも個人間の契約であれば、特約で瑕疵担保責任を免責とすることも可能です。また、築年数が比較的浅い物件の場合、瑕疵保証保険を付けることも可能です。
このように、買取での売却は時間が掛からず早く売却できるメリットがある分、安い価格での売却になってしまうデメリットがあります。売却に多少時間が掛かるかもしれませんが、是非仲介をお勧めします。
今わが国では、空き家の増加が大きな社会問題になっています。これに対して国は、相続で取得した空き家を売却した場合「空き家の発生を抑制するための特例措置」を設けています。この特例に当てはまるような物件は、是非この特例措置の適用を検討してみてください。
「空き家の発生を抑制するための特例措置」の要件は、
①昭和56年5月31日以前に建築された家屋とその敷地であること。
②相続日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること。
③相続前に亡くなられた方が住んでいた。又は施設入居後も家財道具の保管場所などとして使用していたこと。
④相続後に、事業用、賃貸用、居住用で使用されていなかった(空き家である)こと。
です。
この①~④の要件に該当する場合は、譲渡所得が3,000万円まで控除されますので、是非この特例措置の利用を検討してみてください。
時間的に余裕が無く、それでも買取で進めたいという場合は、買取不動産業者提示の買取価格となる理由をしっかり確認することが大事です。
下記のリンクの例では、解体費用で約90万円、最終的に不要だった測量費で50万円、必要のない水道管移設工事費で100万円、残置物撤去費用で10万円それぞれ多く見積られて、素人ではわからない所で過大売却経費合計約250万円が見積もられていました。「買取であれば仲介手数料がかからないのでお得です。」と説明されるとついその気になってしまうので、くれぐれも注意が必要です。
以上のポイントを参考に、せっかくご親族が残してくれた大切な財産を無駄にすることなく、上手に活用してください。
具体的な相続物件の売却事例はこちらです。